「自分の“憧れ”を映画にしました」
■ 細田 守 INTERVIEW
細田守監督が今回、『おおかみこどもの雨と雪』を描こうと思ったのは、子供を産むことで内面的に成長する女性の魅力を目の当たりにしたのがきっかけだった。
「自分の周りで子供が産まれた夫婦が増えてきて、特に母親になった知り合いが、やたらかっこよく輝いて見えたんです。それで、ふと子育ての話を映画にできないかと思って。子供を育てる責任を背負う彼女たちの姿が、素敵だったんですよね。自分が体験してみたいと思ったことを、映画にした感じです」
ごく普通の女性・花が恋をして、子供を授かり、母親になる。同時に、生を受けた雪と雨のおおかみこどもの成長も、映画の大きな見どころとなっていく。
「雪と雨は、それぞれ独立した人物として尊重して描きたかったので、親子3人が主人公ともいえる作品です。それぞれの人生を歩んでいく子供たち、その成長を見守る花の人生も、ひとつのポイントとして描きました」
成長に沿って13年間を描くー。1週間をループする「時をかける少女」、夏の数日間を描いた「サマーウォーズ」と比べても格段に長い時間の経過を、2時間で描くことは、監督自身にとっても新たな試みだった。
「実写映画では難しくても、アニメーションだからこそ、成長し続ける子供たちを描けると思うんです。そこを描くためのこだわりが、画面に出ているはずです。映画を観終えた時、きっと3人と一緒に13年間を過ごしたような”時間経過”を、不思議な気分として感じ取っていただけるはずです」
細田守(ほそだ・まもる)
1967年富山県生まれ。91年東映動画(現・東映アニメーション)に入社。アニメーターとして活躍した後、演出に転向。2005年フリーとなり、06年劇場版『時をかける少女』を発表。同作は日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞、アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門特別賞など各国で受賞。