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『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 20』
理不尽な孫の手先生 こぼれ話
ご無沙汰しております。理不尽な孫の手です。
無職転生も二十巻になります。
十巻の時にも思いましたが、やはり十の倍数は節目に感じられますね。
思えば、この二〇十八年は、停滞の年でした。母が亡くなり、遺産相続関係の手続きにてんてこ舞いになり、なんとかかんとか目の前のことをこなしているうちに、あっという間に過ぎてしまった。そんな感じです。
目の前にちょくちょく小説の仕事があったお陰で、なんとか無職にならず、来年を迎えられそうです。仕事を用意してくださった編集部はもちろん、読者の皆様のお陰です。
本当にありがとうございました。
さて、二十巻ですが、節目の巻に相応しい大激動の巻……というわけではなく、どちらかというと日常の話がメインとなっております。
今巻では、クリフが卒業前に進路を決めるに至った話や、ザノバが店を立ち上げる話なんかを書き下ろしましたので、ぜひともお楽しみください。
今日のこぼれ話としましては、ラノア魔法大学新生生徒会についての話をしようと思います。
ノルン会長率いる生徒会ですね。作中にはあまり出てこない集団なので恐縮なのですが、設定としてはきちんと存在しています。
ノルン生徒会は、アリエル生徒会と大きく違う集団です。
アリエルの生徒会は、基本的にアリエルとその配下が幹部で、それ以外のメンバーもアリエルの息のかかった貴族の子弟が中心で、種族も人族ばかりです。
基本的に誰もがエリートで、家柄も成績も良いような人々が集められました。
将来、アスラ王国の官僚になりうるような人材を取得しようという、アリエルの目的に合致した形ですね。
それに対してノルン生徒会は、身分に関係なく、様々な種族が揃っています。
人族がいれば、長耳族がいる、獣族がいる、魔族がいる。
共通して言えるのは、彼らの大半が元落ちこぼれということです。
勉強が得意で、家柄も良くて、順風満帆な人生を歩んでいる人は、そう多くありません。
誰もが、どこかしらに問題を抱えていたりします。
特に副会長や書記、その他幹部になるような人物は、一年生や二年生の時に、何かしらの理由で退学に近いところまで追い込まれています。
それは勉強についていけないだとか、顔が強面なせいで暴行罪の冤罪を掛けられただとか、種族が原因でイジメられたりとか、そういった些細なことではありますが、彼らの人生を左右するような、重要な出来事です。
ノルンはそんな彼らを助けました。
ノルンに出来ることは決して多くはありませんでしたが、時に先輩であるクリフやザノバに力を借り、時に義理の姉であるロキシーや妹であるアイシャに知恵を借り、一つ一つ、真摯に丁寧に解決していった結果、多くの生徒から慕われ、生徒会長に推薦されることとなったのです。
ノルン生徒会はそうした背景からか、ノルンを慕う者や、いわゆるスクールカーストの外側にいるような人々が集まり、地味だけど堅実な活動を行う集団となっていったのです。
アリエル生徒会は、漫画やゲームにあるような権力のある生徒会。
ノルン生徒会は、現実の学校に存在していそうな、地味な生徒会。
メンバーが違うだけで、同じ名前の組織でも、その内実がガラリと変わってくる。人の社会というものは、面白いですよね。
本編にはノルン生徒会はちょいちょいとしか出てきませんが、いずれノルン視点での学校生活をスピンオフで書いてみたいものです。本当にどこかの学園ものみたいになりそうですが。
では、次巻もお楽しみください。
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