『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 17』読者アンケート
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『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 17』

理不尽な孫の手先生 こぼれ話

 ご無沙汰しております。理不尽な孫の手です。
 無職転生も十七巻。毎度のように思いますが、たくさん出させていただいております。
 これだけ出させていただけているのも、皆様のお陰です、本当にありがとうございます。
 今回の十七巻は、オルステッドの配下となったルーデウスの初任務。緊急クエスト『アリエルの下着をタンスごと盗め!』の後編となっております。
 最高級のヒノキでできたタンスを見たルーデウスが、こんなのファンタジーの王女様のタンスじゃない、と駄々をこねるところが見どころです。
 が、もちろんウソです。
 アリエルが王様になるための戦いの後編、実際にアスラ王国に赴き、そこで倒すべき敵を倒して実権を握る話です。
 内容的にはWEB版とほとんど変わらないのですが、デリックの細かい設定や、ペルギウスに認められるまでの流れなど、前段階での分量を大きく増やしておりますので、WEB版より感慨深いものになっているのではないかな、と思います。
 どうぞ、お楽しみください。

 さて、今回は世界設定について書いていこうかなと思います。
 主に、剣術について。
 皆様御存知かと思いますが、無職転生の世界には、三大流派と呼ばれる、剣術の大家があります。
 剣神流、水神流、北神流の三つです。
 もちろん流派自体はもっとあるのですが、剣が生まれ、剣を扱う技術が生まれ、長年掛けて洗練されていった結果、その三つが残っていった……という設定です。
 攻撃特化の剣神流、防御特化の水神流、生存特化の北神流です。
 こうした流派を考える際に、まず私が考えたのは「この世界の剣術は、人間を相手にするものではない」ということです。
 無職転生の世界には、人間よりも人間にとって脅威となる存在がいます。
 そう、魔物です。人間よりも体が大きく、時に硬い鱗で覆われていたり、時に素早く動いたり、時に再生したりします。
 そういった存在がいる世界なのだから、剣術も、そういった脅威に対するものだったはずだ、という観点から、三つの流派の発想が思い浮かびました。魔物に通用するなら、人間にも通用するはずですからね。
 ひ弱な人間がいかに強大な魔物を倒すか、それを突き詰めたのが無職転生世界の剣術の考え方のベースになりました。
 そして、その最たるものが剣神流です。
 圧倒的な剣速と攻撃力により、あらゆる魔物を一撃で確実に仕留める。
 理論的には最も単純で、合理的です。
 なので剣神流は、剣を持つあらゆる人々に愛され、活用されてきました。
 攻撃を主体にした剣術があるなら、逆もあるだろう。
 ということで、水神流も生まれました。
 水神流のモットーはカウンター。相手の力を利用する技ですので、人間がどれだけ非力でも、十分に相手を葬ることができます。
 さて、でも無職転生の世界には『闘気』と呼ばれるものがあったり、『魔剣』というものがあったり、また種族によって体型や能力に違いがあったりします。
 剣神流や水神流は、身体能力や武器の性能によって、成果が大きく左右される流派なのです。
 そうしたところで優れない者たちは、剣士として大成することはできないのか?
 いいや、彼らには彼らに適した戦い方というものがあるはずだ。
 スピードがなくパワーがあるなら、鎧をまとったり、尻尾を持っているのなら、尻尾をうまく使ったり、手足を切られても生えてくるなら、捨て身で戦ったり……。
 そういう考え方を元に考え出されたのが、北神流です。
 とはいえ、各種族が自分たちの思うがままに戦っているだけでは、流派として体系化されることはありません。
 では、どういう歴史があれば、流派として体系化するのか。
 そうだ。そういった考え方を持った人間の剣士が不死身の魔王と結婚し、その子供が受け継いだものであれば、流派として定着するのでは? というような考えから、『北神流』や『北神カールマン』という存在が生まれました。
 北神流という流派には、他の流派にはない様々な技が存在しています。その全てを扱える者は少ないですが、片手や片足を失っても戦えたり、自分の種族の特性に合わせた戦法をとれる流派は、格式こそありませんが、傭兵や冒険者など、自分の体に変化の起きやすい職業の者たちに好かれています。
 今回の巻では、北神流の中でも特に異色の戦い方をする『奇抜派』と呼ばれる剣士たちが登場します。
 彼らは剣士を目指しながらも、剣神流や水神流にイマイチなじめなかったり、体型的に非常に不利であったりといった様々な理由から北神流の門戸をたたき、自分なりのやり方を開発し、北帝やら北王といった位に上り詰めました。
 そうした人々のストーリーというのも、書けば面白いかもしれませんが、なかなか機会がありませんね。
 ともあれ、オーベールやウィ・ターといった北神流奇抜派の活躍を、どうかお楽しみください。

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