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『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 14』
理不尽な孫の手先生 こぼれ話
どうも、毎度お世話になっております。理不尽な孫の手です。
そして無職転生の十四巻でございます。
ついこの間、十三巻が出たばかりだというのに、早いものですね。
ここまで出させて頂けたのも、皆様のおかげです。本当にありがとうございます。
今回のお話は、二巻あたりにチラッと出てきた空中城塞に行ったり、三巻の舞台であったリカリスの町に行ったりと、そんな感じの話になります。
さて、今回も大体いつもと同じように、キャラクターの裏設定などに関してちょいちょい書いていこうかなと思います。
・空中城塞
無職転生の世界観を作るにあたって、私の中で『よりファンタジーっぽい世界にしたい』という欲求がありました。
ファンタジー感は様々な要素で出すことができます。現実世界で見られないロケーションを提示することも、その一つです。
この世界では見られないロケーションは、そこに行ってみたい、見てみたいという感情、すなわち冒険感に繋がります。
冒険、みんな好きですよね。
RPGをやっていて、空に浮いている島や、高い山に囲まれた城、海に囲まれた祠、といったものを発見したことは無いでしょうか。もしかするとあそこには何かすごい装備があるのかもしれない。何かすごい秘密があるのかもしれない。そんな気持ちになったことは無いでしょうか。
その気持ちこそが冒険感です。
その冒険感を出すために、『空中大陸』は必要なものでした。
そうして生まれたのが、空中城塞です。
・ペルギウス・ドーラ
ペルギウスはかなり初期に構想してあったキャラです。
当初は、主人公のライバル的な存在で、なんか偉そうで、忠実な下僕がたくさん存在していて龍族なので長生きしていて、でもどこか子供っぽい。と、そんな感じでしたが、まぁ色々あって、「ラプラス戦役における主人公」という位置づけになりました。
ラプラス戦役というのは、無職転生時代から四百年前にあった戦争ですね。
『彼はその戦いの中で多くのものを手に入れ、多くのものを失い、精霊たちだけに囲まれた孤独な王となる。そんな孤独な王が望むものはただ一つ、友の最後の願い、魔神ラプラスの討伐。彼はラプラスが復活するまでその牙を研ぎ澄ませ続け、そして刺し違えてでも倒そうと意気込んでいる。そう、彼にとってのラプラス戦役は、まだ終わっていないのだ。』という設定だけは存在していました。
さて、ではそんなペルギウス様は一体どこに住んでいるの?
そう考えた時に、自然と空中大陸が浮かんできました。
空中大陸に住んでいる天上人が、空からずっと世界を観察している……なんてのは、ファンタジーではよくある設定ですね。
というわけで、ペルギウスの設定は「かつての戦争の英雄」で「空中城塞は四百年前の戦争でペルギウスが魔神を倒すべく作り出したもの」で、「ペルギウスはかつての仲間の復讐を誓い、空中城塞で魔神の復活に備えている」というような設定が生まれました。
でも、ただ備えてるだけってのも味気ない話なので、彼には芸術品集めという趣味を持たせました。
お陰で、ザノバとの相性は抜群ですね。
ともあれ、そうしてペルギウスと空中城塞が生まれました。
・アトーフェラトーフェ・ライバック
そんな、昔から設定のあったペルギウスとは対照的に、アトーフェはわりと思いつきのキャラでした。
彼女は私の別作品である『王竜王討伐』という作品の主人公……の、母親にあたります。
『王竜王討伐』を簡単に説明すると、北神カールマンという剣の達人の息子が、ドラゴンの王を討伐するお話です。
主人公は、かつての戦争で活躍した人族の剣士と女魔王が、大恋愛を繰り広げた末に生まれた子供。尊敬する父の偉業を正しく世間に認めさせるために、自ら父の二つ名である『北神』を名乗って世界を旅して名声を高めようとしています。
そんな主人公に剣を教えたのは、何を隠そう母親であるアトーフェです。
彼女はラプラス戦役で魔族側の急先鋒として戦った魔王であり、北神カールマンに剣術を教わった剣の達人です。
とはいえ、当初にあった設定はその程度で、実際にどんな性格をしていて、どんな言動をとるかというのはまだ不透明でした。多分、武人っぽい感じのキャラなのかな? というぐらいです。
そこから不透明なものを明確にしていくわけですが、単に「こうすりゃ面白いだろ」と適当なキャラ付けをするのは(まあ、それはそれでいいのでしょうが)、せっかく別キャラと関係のあるキャラなのにもったいない気がしました。
なので、彼女と関係のあるキャラを参考に、キャラ付けを行いました。
『王竜王討伐』の主人公が楽天的、弟であるバーディガーディが豪放磊落。と、彼女の血縁から、どう考えても彼女の頭は良くないだろうという結論に至り、底抜けのアホになりました。
加えて、物語に魔王らしい魔王を出したい、という気持ちもありました。
武闘派かつ暴力的で、他者を支配したがり、知識より力を重んじる。ていうか言葉が通じない。
そんな感じで生まれたのが、アトーフェラトーフェ・ライバックという人物でした。
十四巻でそんな二人のキャラを出したのは、十五巻以降への布石というのもありますが……。
四〇〇年前はあれぐらい強い奴がゴロゴロいて、そんな奴らが戦争をしていた。空中城塞やリカリスの町は当時から存在していて、そこを舞台に戦った者達がまだ生きている。
そんなロマンを感じていただければなと思っております。
©理不尽な孫の手/KADOKAWA