シリーズ最新刊 待望の文庫化!
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米澤穂信〈古典部〉シリーズ

シリーズ最新刊 待望の文庫化!
いまさら翼といわれても 米澤穂信

〈古典部〉メンバー4人の、
過去と未来に触れる短編集

『いまさら翼といわれても』
(角川文庫)
発売!

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文庫版『いまさら翼といわれても』発売!

〈古典部〉シリーズ最新作『いまさら翼といわれても』文庫版が角川文庫より本日発売されました。
角川文庫70周年特設サイトでは文庫発売記念インタビューも掲載しています!

★インタビューはこちら

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原作「氷菓」フェア&主題歌「アイオライト」コラボ企画

映画『氷菓』、原作フェアが全国書店で大展開中です!
主題歌「アイオライト」は、イトヲカシが原作を読み、映画を見て書き下ろした傑作!ということで、イトヲカシのお二人にも、原作「氷菓」フェアにご参加頂きます。紀伊國屋書店新宿本店・梅田本店ほかで掲出中の“映画『氷菓』×原作「氷菓」ウィンドウパネル” にて展開中!!!

詳細はイトヲカシ公式Twitterをご確認ください。
★イトヲカシOfficial Twitter

【“映画『氷菓』×原作「氷菓」ウィンドウパネル”掲出店舗一覧】

10/15〜11/14
・大垣書店イオンモールKYOTO店
10/15〜11/15
・紀伊國屋書店新宿本店
・紀伊國屋書店梅田本店
・紀伊國屋書店福岡本店
10/15〜11/30
・ブックスタジオ新大阪 デジタルサイネージ
10/16〜11/15
・三省堂書店岐阜店
11/1〜11/30
・三省堂書店神保町本店
・三省堂書店有楽町店
・紀伊國屋書店新宿本店
※掲出店舗、期間は変更の可能性ございますのでご了承ください。

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11/3(金)映画「氷菓」公開を記念して、「氷菓」の聖地・飛騨高山名産・飛騨牛などが豪華プレゼントが当たるキャンペーンを開催中!

とある4つの場所で出題されている映画「氷菓」にまつわるクイズに答えると、その場でもらえる特典に加え、山﨑賢人さん、広瀬アリスさんのサイン入りプレスシート他豪華プレゼントがもらえる抽選への応募ができます!
さらに、各クイズをクリアすると手に入る4つのキーワードを集めることで、飛騨牛1万円分が当たるWチャンスにも応募できます!
4つのクイズは映画「氷菓」に関連のある、いろんな場所に設置されています。その内の1つは全国の書店に並ぶ原作「氷菓」の帯やポスターにも隠されています!
ぜひチェックしてみてください。
※キャンペーンは終了しました。詳細はこちら

Q&A更新

スペシャル企画「米澤穂信の一問一答」Q55〜63を更新しました!

明けましておめでとうございます。おかげさまで、まだまだ『いまさら翼といわれても』、盛り上がっています。最終回となる今回は、やはり〈古典部〉シリーズについて……質問の多かった名前の由来も明らかに! 1ヶ月と少し、お付き合いいただきありがとうございました。今後も、いただいた質問に米澤穂信さんが答えてくださる機会があるかも……!?
#米澤穂信の一問一答

Q&A更新

スペシャル企画「米澤穂信の一問一答」Q47〜54を更新しました!

『いまさら翼といわれても』の発売からはや1か月……今回は最新作に関連した回答を集めました。ネタバレはないですが、読んでからの方が楽しめるかも!?
12月のスペシャル企画更新は今回で最後ですが、米澤穂信さんが当初の予定より多くの質問に回答をくださったため(!)、1月もあと1回、更新させていただきます。乞うご期待、そして良いお年を!
#米澤穂信の一問一答

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著者インタビューが掲載されました!

12月12日(月)発売の「週刊現代」に、米澤穂信さんの著者インタビューが掲載されています。是非チェックしてみてください。

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著者インタビューが掲載されました!

web「BOOK SHORTS」に米澤穂信さんのインタビューが掲載されました。
『いまさら翼といわれても』についてはもちろん、創作についてのお話も。
★インタビューはこちら

更新情報

〈古典部〉シリーズホームページがリニューアルオープンしました。

11月30日(水)発売予定の〈古典部〉シリーズ最新作『いまさら翼といわれても』に合わせ、〈古典部〉シリーズホームページがリニューアルオープン!今後も作品に関する情報やコンテンツを更新していきますので、よろしくお願いいたします。

写真/清水厚

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文庫版『いまさら翼といわれても』発売!

〈古典部〉シリーズ最新作『いまさら翼といわれても』文庫版が角川文庫より本日発売されました。
角川文庫70周年特設サイトでは文庫発売記念インタビューも掲載しています!

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原作「氷菓」フェア&主題歌「アイオライト」コラボ企画

映画『氷菓』、原作フェアが全国書店で大展開中です!
主題歌「アイオライト」は、イトヲカシが原作を読み、映画を見て書き下ろした傑作!ということで、イトヲカシのお二人にも、原作「氷菓」フェアにご参加頂きます。紀伊國屋書店新宿本店・梅田本店ほかで掲出中の“映画『氷菓』×原作「氷菓」ウィンドウパネル” にて展開中!!!

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【“映画『氷菓』×原作「氷菓」ウィンドウパネル”掲出店舗一覧】

10/15〜11/14
・大垣書店イオンモールKYOTO店
10/15〜11/15
・紀伊國屋書店新宿本店
・紀伊國屋書店梅田本店
・紀伊國屋書店福岡本店
10/15〜11/30
・ブックスタジオ新大阪 デジタルサイネージ
10/16〜11/15
・三省堂書店岐阜店
11/1〜11/30
・三省堂書店神保町本店
・三省堂書店有楽町店
・紀伊國屋書店新宿本店
※掲出店舗、期間は変更の可能性ございますのでご了承ください。

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とある4つの場所で出題されている映画「氷菓」にまつわるクイズに答えると、その場でもらえる特典に加え、山﨑賢人さん、広瀬アリスさんのサイン入りプレスシート他豪華プレゼントがもらえる抽選への応募ができます!
さらに、各クイズをクリアすると手に入る4つのキーワードを集めることで、飛騨牛1万円分が当たるWチャンスにも応募できます!
4つのクイズは映画「氷菓」に関連のある、いろんな場所に設置されています。その内の1つは全国の書店に並ぶ原作「氷菓」の帯やポスターにも隠されています!
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スペシャル企画「米澤穂信の一問一答」Q55〜63を更新しました!

明けましておめでとうございます。おかげさまで、まだまだ『いまさら翼といわれても』、盛り上がっています。最終回となる今回は、やはり〈古典部〉シリーズについて……質問の多かった名前の由来も明らかに! 1ヶ月と少し、お付き合いいただきありがとうございました。今後も、いただいた質問に米澤穂信さんが答えてくださる機会があるかも……!?
#米澤穂信の一問一答

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『いまさら翼といわれても』の発売からはや1か月……今回は最新作に関連した回答を集めました。ネタバレはないですが、読んでからの方が楽しめるかも!?
12月のスペシャル企画更新は今回で最後ですが、米澤穂信さんが当初の予定より多くの質問に回答をくださったため(!)、1月もあと1回、更新させていただきます。乞うご期待、そして良いお年を!
#米澤穂信の一問一答

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著者インタビューが掲載されました!

12月12日(月)発売の「週刊現代」に、米澤穂信さんの著者インタビューが掲載されています。是非チェックしてみてください。

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web「BOOK SHORTS」に米澤穂信さんのインタビューが掲載されました。
『いまさら翼といわれても』についてはもちろん、創作についてのお話も。
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更新情報

〈古典部〉シリーズホームページがリニューアルオープンしました。

11月30日(水)発売予定の〈古典部〉シリーズ最新作『いまさら翼といわれても』に合わせ、〈古典部〉シリーズホームページがリニューアルオープン!今後も作品に関する情報やコンテンツを更新していきますので、よろしくお願いいたします。

〈古典部〉シリーズとは?

『折れた竜骨』『満願』『王とサーカス』……進化し続けるミステリ作家・米澤穂信の、進化し続ける原点。挑むは、日常の謎と、青春の苦悩――本格学園ミステリ。

「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に」をモットーとする“省エネ”少年・折木奉太郎は、姉の命令で、高校入学と同時に部員ゼロの古典部に入らされる。そこで出会ったのは、清楚だが大きな瞳におさえきれない好奇心がにじむ少女・千反田える。中学校からの友人、福部里志と伊原摩耶花も古典部に加わり、奉太郎は仲間に依頼され、さまざまな謎を推理・解決していくことに……。

登場人物紹介・キーワード

〈古典部〉シリーズの主要キャスト、シチュエーションをご紹介します。

折木奉太郎(おれき・ほうたろう)
●経歴:鏑矢中学卒。2000年4月、神山高校に入学。姉・供恵のすすめで廃部寸前の古典部に入部。成績は中庸で350人中175位(一年前期中間考査結果)。文系を選択した。
●性格:省エネ主義を標榜する。モットーは「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に」。
●口癖:心の中で、よく「さいですか」と呟いている。
●趣味:(自覚はないが)読書。部室でよく文庫本を読んでいる。コーヒーの好みは浅煎り。
千反田える(ちたんだ・える)
●経歴:印地中学卒。「一身上の都合」で古典部に入部。部長に。神山市の四名家のひとつ、豪農・千反田家のひとり娘。成績優秀で学年5~6位。理系選択予定。
●性格:好奇心が非常に旺盛で時に猪突猛進する。観察力、記憶力に秀でるが分析する能力に欠ける。
●外見:きれいな長髪、楚々とした物腰、背は高めですらりとしている。目が大きい。視力が2.0を上回るほか、五感が鋭い。
●口癖:「わたし、気になります」
●趣味:料理は非常に上手。抹茶牛乳好き。
●その他:お酒にとカフェインに弱い。ウィスキーボンボン程度でも酔ってしまい、笑い上戸となり絡んでくる。
福部里志(ふくべ・さとし)
●経歴:鏑矢中学卒。古典部、手芸部に所属し総務委員会にも入っている。中学時代に“ある災難”に遭い奉太郎と知り合う。以降、友人となる。
●外見:背は低く遠目には女子のよう。青瓢箪。巾着袋を愛用。
●性格:広く浅く何事にも首を突っ込むタイプ。モットーは「ジョークは即興に限る、禍根を残せば嘘になる」。
●口癖:「データベースは結論を出せないんだ」
●趣味:似非粋人(折木評)で好みが変わりやすいが、サイクリング(マウンテンバイクを愛用)とシャーロック・ホームズとアーケードゲームは愛好。
●その他:伊原から何度も告白を受けているがはぐらかし続けている。
伊原摩耶花(いばら・まやか)
●経歴:鏑矢中学卒。奉太郎とは小中学校の9年間クラスメートだったが、神山高校に入って初めて別に。漫画研究会、図書委員会所属。古典部には5月に入部。
●外見:背は低く童顔。小学生に見えなくもないほど。
●性格:気が強い。責任感も強い。
●口癖:特にないが口調は辛辣。奉太郎に対してはことさら厳しい。
●趣味:実作もするほど漫画には真剣に取り組んでいる。海外ミステリもそこそこ好き。
●その他:ふくちゃん(里志)に思いを寄せ、何度か告白している。
折木供恵(おれき・ともえ)
●経歴:奉太郎の姉。神山高校古典部OGで現在は大学生。廃部寸前の古典部を存続させるため奉太郎に入部を勧めた(というより強要?)。
●特徴:非常に活動的。合気道と逮捕術に秀でる。
●趣味:旅行。大学入学とほぼ同時にユーラシア大陸横断のひとり旅に。2000m台の山々への登山経験もあり。
神山高校
生徒数約1000人の一般的な進学校。文化系の部活動が盛んで、古典部や水墨画部等、珍しい文化部も多数存在。10月の文化祭は2000年で42回目を数え、51の団体が出展。俗称は「カンヤ祭」。制服は男子が詰め襟、女子がセーラー服。
古典部
文化祭で発表する文集「氷菓」が30年以上の伝統を持つ歴史ある部。ただし3年連続部員ゼロで2000年に入部者がいなければ消滅することになっていた。活動目的は今のところ定かではない。部室は特別棟の4階の角。地学講義室と併用。顧問は大出先生。2年前の部室は生物講義室(真下の3階。現在は壁新聞部部室)。
神山市
中部地方にあると推定される緑豊かな地方都市。高山地帯(神垣内連峰)に近い。北東部には丘陵地帯(陣出)が広がり、中心部からバスで1時間半の山間には温泉も(財前村)。旧家名家が多く特に有名なのが荒楠神社の十文字家、書肆百日紅家、豪農千反田家、山持ちの万人橋家。家名の最初の文字がすべて漢数字で桁がひとつずつあがっていくため“桁上がりの四名家”と里志が命名した。

新刊情報

いまさら翼といわれても 米澤穂信
  • 『いまさら翼といわれても』
  • 謎解きを通し〈古典部〉メンバーの新たな一面に出会う、シリーズ第6弾。
  • 2019年6月14日(金)発売
  • ISBN:978-4041081648
    定価:本体680円+税
    文庫判

あらすじ

「ちーちゃんの行きそうなところ、知らない?」夏休み初日、折木奉太郎にかかってきた〈古典部〉部員・伊原摩耶花からの電話。合唱祭の本番を前に、ソロパートを任されている千反田えるが姿を消したと言う。千反田は今、どんな思いでどこにいるのか――会場に駆けつけた奉太郎は推理を開始する。千反田の知られざる苦悩が垣間見える表題作ほか、〈古典部〉メンバーの過去と未来が垣間見える、瑞々しくもビターな全6篇。

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米澤穂信と古典部
  • 『米澤穂信と古典部』
  • 新作短編も収録!人気作家とともに歩んだ〈古典部〉のすべてがここに!
  • 2017年10月13日(金)発売
  • ISBN:978-4041060513
    定価:本体1,100円+税
    A5判

内容紹介

ある日、大日向が地学講義室に持ち込んだのは、鏑矢中学校で配られていた「読書感想の例文」という冊子。盛り上がる一同に、奉太郎は気が気でない――。書き下ろし新作短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」の他、古典部メンバー四人の本棚、著者の仕事場や執筆資料も初公開! 『氷菓』以来、米澤穂信と一五年間ともに歩み、進化を続けている〈古典部〉シリーズについて「広く深く」網羅した必読の一冊。

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スペシャル企画

米澤穂信の一問一答!

質問募集期間:2016年11月21日(月)〜12月15日(木)

著者・米澤穂信さんが、あなたの質問に答えます!

これまでのQ&A

更新Q55 ~63
【Q55】奉太郎は最近の短編ではよく料理をしていますが、そのなかでも(そのなかからではなくてもいいです)奉太郎の得意料理はなんでしょうか?(m nicoさん)
米澤さん:得意料理というほどのものはないと思います。なにぶん手間の掛かったことはしないでしょうから、レパートリーは炒め物ばかりだろうなと思っています。
【Q56】舞台が岐阜県ですが、古典部メンバーをはじめ登場人物には訛りがないですよね。ほかの方の作品でも地方の言葉が話されないことはしばしばありますが……米澤先生の場合、みなさん標準語で会話しているイメージなのでしょうか。それとも、イメージの中では地元の言葉で話されている会話を直しているような感じなのでしょうか。気になります。(折木の叔母さん)
米澤さん:まず第一に、小説の舞台はあくまで架空の「神山市」であり、岐阜県にあるとは明記していないので、岐阜の方言を使う理由はありませんでした。第二にですが、私も学生時代の友人たちも方言はほとんど使っていなかったので、いわゆる「標準語」で書くことを不自然とは感じないのです(イントネーションには多少癖がありましたが……)。お答えとしては、標準語で話しているイメージということになります。 それでも、「B紙(B1用紙)」「放課(授業終了)」「車校(自動車学校)」などの東海地方の方言が入ってきてしまうことはありますね。
【Q57】『愚者のエンドロール』で入須冬実は折木供恵に対し多大な信頼を寄せているように思えるのですが、彼女たちはどういった経緯で知り合い、今に至っているのでしょうか?(せっちゃんさん)
米澤さん:いまのところ書かれていませんが、在学期間がかぶっていないので、学外で知り合ったものと思われます。
【Q58】里志はいつも巾着袋を持ち歩いていますが、なぜ普通のカバンなどではなく巾着袋にしたのか、理由や考えがあれば教えていただきたいです。(ゆりぴーさん)
米澤さん:これも折木奉太郎の白いトレンチコートと同じです。つまり……私が学生時代に使っていたものなのです。
【Q59】奉太郎は文集「氷菓」に関谷さんの実名や高校時代の話を詳しく書いたのですか? 仮名にしたり脚色したりしたのでしょうか?(よしだあさん)
米澤さん:関谷純の本名は公開されている学内の資料に書かれているものですから、敢えて伏せる意味はありません。しかし千反田の気持ちを考え、当時の関係者(特に関谷純の同窓生)が読むかもしれないことを考えれば、仮名かイニシャルにしたのではと思います。歴史について書くのなら不徹底な態度ではありますが、折木にそこまでの責任と覚悟を求めるのは酷というものでしょう。
【Q60】
・「えるきてる」とかくだらないジョークが好きなのですが(失礼)、先生が考えてらっしゃるのですか? それとも担当編集の方が考えてるのですか?(缶ジュースさん)
・古典部シリーズ、いつも楽しく読ませていただいてます! ワイルドファイアの実況など、物語の端々に面白い冗談が織り交ぜられていて、それが大好きなのですが、このような冗談はどのようにして書いているのですか? 書きながらパッと思いつくものなのか、じっくり考えて捻り出しているのか……。是非教えてください!(出汁煮バナナさん)
米澤さん:私が! その場で! です!
【Q61】
・第1作『氷菓』発表から15年が経ち、例えば、携帯電話や時事ニュースなどは、2001年当時と現在とでは、大きく変わってしまいましたが、そのような作中世界と現実世界との乖離について、創作活動をする上で苦労している点などがあれば教えていただきたいです。また、それと関連して、古典部シリーズの時代設定は、今後も2001年あたりからの数年間という理解で、読み進めれば良いのでしょうか?(肘神様さん)
・「ダ・ヴィンチ」でのインタビューを拝読し、時間というものに対する強い拘りを感じました。古典部や小市民の舞台は00年代初頭であり、こんにち我々が生きる2010年代半ばとは時間が大きく離れ、生活スタイルや文物など色々と変化がありますね。そうした過去の世界(それも歴史や古典になるほどには離れていない時間軸です)に没入して執筆するにはそれ相応の苦労があるのではと思うのですが、実際の所はどうなのでしょう。時間軸の違いに基づくミスなどなさった事はおありでしょうか。(武衛さん)
米澤さん:〈古典部〉ではないのですが、以前作中でなにげなく成田空港を出したとき、開港前だと指摘されてしまったと思ったことがあります。〈古典部〉は、彼らの入学年が2000年ですから、折木たちが二年生になった年は2001年で間違いありません。
【Q62】古典部シリーズのなかで米澤さんの一番お気に入りの「謎」はなんですか? ちなみに僕は「心あたりのある者は」の、校内放送の真意は? という謎が一番魅力的に感じました。(wakkunさん)
米澤さん:どれもそれぞれ思いがあるので、これが良くて他はそれほど、ということはないのですが、『ふたりの距離の概算』に入れた「入部受付はこちら」と「とても素敵なお店」は、ちょっと面白いアプローチと結末が書けたかもと思っています。
【Q63】主要登場人物の(折木くんのだけでも構いません)名前の由来を教えてください!(うかさん)
米澤さん:折木奉太郎の人物像は出来上がっていて、下の名前をどうしようか……と考えながら街を歩いていたとき、神社の境内の看板に「供奉」という文字を見つけました。それがなんとなく印象的で、「供恵」「奉太郎」の姉弟になりました。
更新Q47~54
【Q47】米澤先生はどのようにミステリーのトリックなどを思い付くのですか?(ムーみんさん)
米澤さん:ミステリには「フーダニット」や「ハウダニット」、「暗号」「倒叙」などさまざまな型と、その発展形、複合形があります。今回はどのようなミステリにするのか骨格を考え、そこから何をミステリ的に見せるのか、構造の面から考えていきます。たとえば「わたしたちの伝説の一冊」は、フーダニット(犯人あて)からアプローチしていくものの、ミステリとしての核はハウダニット(動機あて)にあり、実は冒頭に掲げられた折木奉太郎の読書感想文が手がかりとして呼応してくるものの、本当の動機は語り手である伊原摩耶花にしか知り得ないという構造を取っています。
【Q48】
・『いまさら翼といわれても』買ってからすぐ一気読みさせてもらいました。とても感慨を覚えました。ところで、今までの短編は昔の推理小説を下敷きにしていましたよね? 今回の短編集でそれにあたる話はありますか? 私、気になります!(サトケイさん)
・『いまさら翼といわれても』読ませていただきました。本作では何か古典を下敷きにしていたりしますか?(ディクスンさん)
米澤さん:今回は、具体的なモチーフがあるものはほとんどありません。それでも、ミステリへのご案内のためにいくつかお伝えします。 「箱の中の欠落」は、ジョン・ディクスン・カーの「ある密室」のような、動機を二の次とするハウダニットを念頭に置いていました。 「鏡には映らない」は、暗号ものとして書いています。たとえば、G・K・チェスタトン「ペンドラゴン一族の滅亡」などに、いくらか似通ったところがあるかもしれません。 「連峰は晴れているか」は、何気ない一言の真意を探るミステリで、類作は多々ありますがよく知られているのは何と言っても「気ちがいじゃが仕方がない」……横溝正史『獄門島』でしょう。 「わたしたちの伝説の一冊」については先に(Q47)お答えしました。先行例は思いつきませんが、見立ての趣向を取り入れているとは、言えるかもしれません。 「長い休日」は、日常の謎のスタンダードな形と言えそうです。北村薫『空飛ぶ馬』から読んできた蓄積が出ていればと思います。 「いまさら翼といわれても」は、場所を探すと見せかけて別のものを探すミステリです。この趣向ですとアイザック・アシモフ『黒後家蜘蛛の会』のあるエピソードが思い浮かびますが、どれだと申し上げることも真相に抵触しそうなので、言わないことにします。
【Q49】
・第1作『氷菓』発表から15年が経ち、例えば、携帯電話や時事ニュースなどは、2001年当時と現在とでは、大きく変わってしまいましたが、そのような作中世界と現実世界との乖離について、創作活動をする上で苦労している点などがあれば教えていただきたいです。また、それと関連して、古典部シリーズの時代設定は、今後も2001年あたりからの数年間という理解で、読み進めれば良いのでしょうか?(肘神様さん)
・「ダ・ヴィンチ」でのインタビューを拝読し、時間というものに対する強い拘りを感じました。古典部や小市民の舞台は00年代初頭であり、こんにち我々が生きる2010年代半ばとは時間が大きく離れ、生活スタイルや文物など色々と変化がありますね。そうした過去の世界(それも歴史や古典になるほどには離れていない時間軸です)に没入して執筆するにはそれ相応の苦労があるのではと思うのですが、実際の所はどうなのでしょう。時間軸の違いに基づくミスなどなさった事はおありでしょうか。(武衛さん)
米澤さん:〈古典部〉ではないのですが、以前作中でなにげなく成田空港を出したとき、開港前だと指摘されてしまったと思ったことがあります。〈古典部〉は、彼らの入学年が2000年ですから、折木たちが二年生になった年は2001年で間違いありません。
【Q50】「鏡には映らない」で、芝野さんは鳥羽さんのことを、折木の彼女だと言っていましたが、これは芝野さんの勘違いだということでよろしいのでしょうか? 本編ではあまり語られていないことから、何か意味があるのではないかと思いながら、どうしても気になってしまいましたので質問させていただきました。これからも応援しております。(ソーサーさん)
米澤さん:「アサミ次第だな」と言ったとき、折木は「アサミ」というのが何を指すのか、わかっていませんでした。なのでそれが同学年の生徒の名前だと知り、驚いたのです。つまり少なくともこの時点では、折木と鳥羽麻美が恋仲と言うことはあり得ません。
【Q51】『ふたりの距離の概算』四章で、折木が見かけた「この世に楽しいことなんか何一つないとでもいうように」物憂げな顔をしていた女子生徒は鳥羽麻美?(……いや、折木は知らない女子生徒って言ってるけど……)(ラピスラズリの丘さん)
米澤さん:そうだと考える理由はありませんが、違うと言い切ることもできません。折木と鳥羽麻美には、直接の面識がない可能性もあるのです。
【Q52】
・短編集を出す際、掲載順はどのような決め方をしていますか?(名前を入れてくださいさん)
・『いまさら翼といわれても』を手にして目次を開いたとき、収録順に驚きましたし、とてもドキドキしました。どの短篇も既に一度読んでいましたが、単行本としてまとめられた形で再読したいまでは、この並び順でなければいけなかったのだと感じています。単行本の収録順は、どの段階で、どのように決まっていったのでしょうか。(ぐみさん)
米澤さん:細く切った紙に短篇の題名を書き、順序を入れ替えて最善の並びを検討します。『いまさら翼といわれても』の場合、一話目が「箱の中の欠落」、最後が「いまさら翼といわれても」であることは念頭に置いて書き進めていたので、その間をどう並べるか、いろいろなパターンを試しました。
【Q53】「物語を書いている中で一番ドキドキしながら書いたシーンは何処ですか? あと、物語の展開で一番迷ったところもお願いします。僕、気になります!(雲猿さん)
米澤さん:「いまさら翼といわれても」が一番どきどきしたように記憶しています。締切に遅れた上、枚数が予定通りに進まなかったのです。  一番迷ったのは、「わたしたちの伝説の一冊」を伊原視点にするかでした。既に伊原の一人称で「鏡には映らない」を書いていたので、「伝説」もそうすれば、短篇集に伊原視点のものが二つ入ることになります。バランスを取るためには福部視点で書くべきではないか……と考えました。  しかしこの措置は「短篇集全体のバランスを整える」ことには役立っても、小説を良くすることには繋がりません。「わたしたちの伝説の一冊」という短篇に限っていえば、最良の形を曲げることになります。それはやはり間違っていると思い直し、いまの形で書きました。
【Q54】表題作「いまさら翼といわれても」の中で、奉太郎が冷やし中華を作っていますが、即席のタレに混ぜた味醂は煮切っているのでしょうか? 何故か気になってしまい、夜も眠れません!(熊さん)
米澤さん:洗い物が増えますし、タレを冷やす必要も出て来ますので、面倒がって煮切っていないと思います。
更新Q38~46
【Q38】古典部シリーズは日常に潜む謎を解いていく物語ですが、米澤さんは日常で謎に遭遇したら千反田のように興味津々になって解こうとしますか。それとも奉太郎のように省エネ主義ですか。(Scentさん)
米澤さん:「ああじゃないかな」「こんなことも考えられるな」とあれこれ推論して楽しむことはありますが、一番肝心な裏付けや余詰め潰しをするわけではないので、好奇心と省エネの折衷のような感じです。
【Q39】好きなゲームを3つほど教えてください。(ちょーかーさん)
米澤さん:すぐに思いつくのは、国内なら「タクティクス・オウガ」「レイフォース」「カオスシード」、海外だと「BIOSHOCK」「GOD OF WAR」「R.U.S.E.」です。
【Q40】先生は自身がもし作家になっていなければ、どんな仕事をしていたと思いますか?(mtrgtさん)
米澤さん:ううん、シナリオライターや脚本家か、公務員でしょうか。
【Q41】作家さんはよく、キャラクターの中に自分と近い部分を入れて書くと聞いたことがあります。古典部シリーズの中で、米澤先生と似ている性格を持ったキャラと、考え方が違うなーと思うキャラをそれぞれ教えて下さい。(リリチコさん)
米澤さん:自分に近い部分を入れるというより、たまに(間違って)入り込んでしまうことがある、というぐらいがより正確かと思います。私小説や自伝を書く場合は別ですが、基本的に作家と登場人物はまったく別の存在なのです。なので、性格や考え方が似ている人物というのは出て来ていないと思います。強いて言うなら、福部里志の気が多いところは、共通しているかもしれません。
【Q42】米澤さんが好んで食べる食べ物はなんですか?(オムライスさん)
米澤さん:以前同じ事を聞かれたとき、咄嗟に答えたのが「牛蒡と冬瓜」でした。これは料理ではなく、食材ですね……。
【Q43】本棚の中身の並べ方など、本の管理方法について教えてください。米澤先生ご自身が書かれた作品は仕事部屋に置かれているのでしょうか。(仔羊さん)
米澤さん:文庫と新書版と単行本に大別し、それぞれをNDC十進分類法に(おおまかに)従って並べています。自著は仕事部屋に置いています。……こういう、自作について触れる文章を書くとき、参考にする機会が多いので。
【Q44】最近、先生は何の生活の事or物か気になりますか。(曉嵐さん)
米澤さん:このところ、小説にかまけすぎて、生活上の興味を持つことがおろそかになっています。専心がたいせつだとはいえ、ものには限度というものがあります。今度、どこかの洋館か日本庭園を見に行こうと思っています。
【Q45】米澤先生が一番好きなおにぎりの具を教えて下さい。(ミサイルさん)
米澤さん:塩鮭……きんぴらごぼう……海老天……それぞれに忘れがたく……ローマです!
【Q46】先日のサイン会に参加させていただきました! とても緊張しましたが本当に夢のような時間でした! そのときにふと思ったのですが先生は普段、私生活でどのような服装でいることが多いのですか?(もりちゅーさん)
米澤さん:無地のシャツに綿のパンツを履き、ジャケットを羽織っていることが多いです。
更新Q29~37
【Q29】作家のたまご高校生です。米澤穂信先生は小説を書いていてアイディアが思い浮かばなくなった時、どうしますか?
参考にしたいのでどうか教えていただけるとうれしいです。(山下未来さん)
米澤さん:「何を書くか」ということでしたら、途切れることはありません。書くべきもの、書きたいものは常にありますし、もしそれがなくなったら、「物語の不在」について書きます(実際、『追想五断章』はそのように書きました)。
しかし実力不足や取材不足、時期尚早、長さが合わないなどの理由で、新規に小説を用意しなければならなくなることは多々あります。そんなとき、まずは「どういうミステリなのか」「なにを、どういう形で解くのか」という立問から入ることが多いです。ミステリとしての軸を固め、そこから物語を巻きつけていくイメージです。
【Q30】米澤穂信さんの『氷菓』を小学生の時に読んで以来、将来は米澤さんのような作家さんになりたいと思っています。学生のうちにやっておくと為になるようなことはありますでしょうか?
また米澤さんは学生時代何に熱中されていましたか?(ちえさん)
米澤さん:高校生の頃は弓道をやっていました。大学生になってからは、一日一編のペースで掌篇を書き、四十篇ほど書いた後で短篇や長篇の習作を書いていました。
学生のうちにやっておくと為になることは、勉強です。物を知らなければ小説は根のない浮ついたものになりますし、学がなければどれがまっとうな知識でどれがあやしげな知識なのか見抜くことが出来ません。物事を学び、知るためにはどうしたらいいのか、原典主義や資料批判などの基本的な姿勢、心構えを身につけられれば、きっと役に立つだろうと思います。
【Q31】古典部シリーズをはじめとして米澤先生の著作を読むと端々に先生自身のデータベースっぷりが垣間見えるのですが、知の蓄積のために読書以外で心がけてらっしゃることはありますでしょうか?
気になります。(似非粋人84号さん)
米澤さん:この仕事をしているととんでもない博識の人がざらにいるので、自分のことを物知りだなどとは到底思いませんが、それでもいちおう心がけだけでもお答えします。
何事にせよ自分の目で見ると発見があるものです。一時、「士農工商という言葉は江戸時代にはなかった」と言われたことがありましたが、江戸東京博物館で「士農工商」と書かれた浮世絵を見ていましたので、なかったのは「士農工商」という身分制度であり、言葉自体は間違いなく知られていると惑わずに済みました。
そして、思いて学ばざれば即ちあやうしと言いますが、発見をそのまま鵜呑みにせず、本や資料で再検討することが何より大切です。かの「士農工商」浮世絵は間違いなく江戸時代に刷られたものか、そもそも「士農工商」という言葉はどこから出て来たのか……ということは、やはり本でないと確かめられないものです。
【Q32】作品を、特に心理描写を書く時に気をつけていることがあれば教えていただきたいです。(ぱげしさん)
米澤さん:小説の都合で登場人物を振りまわしすぎないことです。たとえ、このように感じて貰わなければ小説が成り立たなくて困るということがあっても、彼、彼女はそうは感じないというのであれば、小説の方で工夫して問題を回避するべきであって、登場人物の心はできるだけ曲げないようにと心がけています。
【Q33】米澤穂信さんの小説は基本的に登場人物が自分自身の目線から物語を語り進めていくといったスタイルが多いように思われます。これは何か哲学的意味がありますか?
自分としては親しみやすくさらにその人の感情がよく分かるので読みやすいです。(玉にポン酢の誉れッティさん)
米澤さん:一人称ということですよね。三人称で書くこともありますが、たしかに割合としては一人称の方がやや多いようです。
プロットを最後まで見渡したとき、最高潮の部分で主人公の思いが露わになる、そこを一人称で書きたいために一人称を選択することがあります。三人称の小説も、また書きたいと思っています。
【Q34】古典部シリーズでは既存のガジェットにとらわれず、様々な物語の中にミステリが溶け込んでいると思います。魅力的なお話が外枠にあり、そのお話に守られるように、内部でミステリがしっかりと息づいている印象です。ひとつのアイデアの種から魅力的なお話を組み立てていくコツのようなものはありますか?(柴田陽さん)
米澤さん:ありがとうございます。先に書いたこととかぶりますが、ミステリを先にするようにしています。物語を先にして、後からミステリを入れ込もうとすると、往々にしてミステリ部分が浮いてしまうからです。その上で、ミステリとしての解決と、小説としての最高潮が一致するように書いています。
【Q35】米澤先生は、小説を書く上でどれぐらいリアリティを意識して書かれますか?
フィクションだからと考えるのか、小説だからこそリアルに書くべきだと思うか教えていただけると嬉しいです。(yukiゆうさん)
米澤さん:リアルを追求すると、毎日別に何も起きないことや、何か事件が起きても蚊帳の外に置かれることがリアルということになってしまいます。現実をそのままに見たければ現実を見ればいいわけで、なにも小説を読むことはありません。なのでリアルであることは求めませんが、上手に虚構を描くためにリアリティは必要です。現実はリアリティを無視しても「設定に無理がある」「ご都合主義だ」と言われなくて羨ましい限りです。
【Q36】米澤先生の作品には群青、緋、若草色の髪飾り、白のトレンチコート、茜色の傘、赤いハンマーなど、印象深い色のアイテムが出てきますね。登場人物の持ち物を考えるとき、どのように色選びをなさるのか、とても気になります。(稲さん)
米澤さん:これという法則があるわけではなく、このひとにこの色が似合いそう、似合わないところがかえって面白そうなどと思いながら決めています。街を歩いたり雑誌を読んだりするとき、こんな色づかいがあったのかと発見すると、使ってみたくなることもあります。
【Q37】恥かしいのですが、私は仕事中、他のことが頭をよぎり焦ることが結構あります。小説世界をイチから作り上げ、そこに入り込んで執筆する米澤先生には強い集中力がおありだと思います。どうやったら、目の前の仕事に集中し続けることができるでしょうか?(たいぼうさん)
米澤さん:それほどふだんから集中が続くものではありません。小説が佳境に入れば一日八十枚、百枚と進むこともありますが、それは稀なことです。花のない部分をああでもない、こうでもないとじりじり書き進めていくより他にありません。
それでも強制的に集中しなければならないときは、「SHIMEKIRI」というものが良く効くと仄聞したことがあります。
更新Q22~28
【Q22】
・ずばり古典部シリーズは、米澤先生の送りたかった青春時代なのでしょうか?(ノーフォーク神楽さん)
・古典部シリーズは日常の謎と青春の苦悩が描かれていますが、米澤穂信さんはどの様な青春時代を過ごされたのでしょうか?(恋雨さん)
米澤さん:いいえ。私は部活動で全国大会に行きたかったのです。
【Q23】沢木口先輩は今後出る予定はないんでしょうか?(神山高校クイズ研究会OBさん)
米澤さん:受験生なので忙しそうですが、それでも出て来そうですね。
【Q24】登場人物のモデルはありますか?(ぽんさん)
米澤さん:いいえ、ありません。
【Q25】古典部シリーズは完結するまで書いていただけますか?(かちゃんさん)
米澤さん:はい、そのつもりです。
【Q26】古典部シリーズ最終話の構想はありますか?(アクエリさん)
米澤さん:はい。どういうものかは、残念ですが申し上げられません。
【Q27】米澤作品には、よく藤子・F・不二雄関連のワードが登場するような気がするのですが、ひょっとしてお好きなんですか?(エビフラットさん)
米澤さん:アンキパンとかでしょうか。はい、よく読んでいました。全集のおかげでSF短篇や「TPぼん」が揃えられて、嬉しく思っています。
【Q28】天文部がTRPGをしている描写がありますが、先生はTRPGの経験はありますか?(雪月花さん)
米澤さん:はい、あります。エルリック・サーガを読んでいたので最初に触れたのは「ストームブリンガー」でしたが、初心者が手を出すにはちょっと難しいルールでした。「シャドウラン」や「メックウォリアー」、それに「ソードワールド」もやっていましたが、「D&D」にはついぞ触れる機会がなかったのが残念です。
更新Q19~21
【Q19】奉太郎は冬になると白のトレンチコートを着ていますよね。高校生で白のトレンチコートを着て学校に行くというのはなかなかないように思いますが、持ち物にあれを設定した理由はあったりするのでしょうか?(小雪さん)
米澤さん:白というのは折木の語彙力に限界があるからで、実際には少し黄色みがかったオフホワイトから薄いベージュぐらいの色合いのものだと考えています。そのぐらいなら、まあ、夜歩くのにも目立って交通安全に役立つかな、と。私がそういうものを着ていたので折木にも着せただけで、特に深謀遠慮はありません。
【Q20】米澤先生は過去、「ファミコン探偵倶楽部」や「ジーザス 恐怖のバイオモンスター」といったファミコンの名作アドベンチャーゲームの影響を語っておられましたが、「中山美穂のトキメキハイスクール」からは影響を受けていらっしゃいますか。(バッコス☆あきらさん)
米澤さん:すみません、遊んだことがないです。いわゆるアドベンチャーゲームには、あんまり触れてきませんでした。
【Q21】レーベルの休眠という非常事態を乗り越え、いまや多くの人に愛されている〈古典部〉シリーズは、米澤穂信さんにとって思い入れが深い作品の一つだと思いますが、かつてシリーズの続刊が出せなくなった時期、恐らく気落ちしているであろう「過去の」米澤さんに対し、「現在の」米澤さんが何か言葉をかけてあげられるとすれば、どんな言葉を伝えてあげたいですか?(たこ焼きさん)
米澤さん:当時の私は、小説家としてはもう続けられないかもしれないが、お話をつくる仕事は小説家ばかりではないし、誰かに創作を禁止されたわけでもない、もしどうしても小説を書きたいならwebででも発表すればいい、もともとそうしていたのだから最初に戻るだけだ……と思っていたので、もしいまの私が当時の私を見たとしても、「そうだね」と頷くだけではないかと思います。
更新Q16~18
【Q16】供恵、える、摩耶花、女帝……と強い女性ばかり登場する印象が強いです。これは作者の実体験が反映されているんでしょうか?(ふうこさん)
米澤さん:彼女たちについて、実体験から何かを反映させたことはありません。それに私自身は、彼女たちが強いとも、あんまり思っていないのです。
【Q17】趣味でよく登山に出かけるので、「連峰は晴れているか」がお気に入りのエピソードのひとつです。米澤先生ご自身は登山はされますでしょうか?(mko45)
米澤さん:登山というほどのことはしないです。名のあるところだと焼岳や西穂高(これは途中で引き返したような記憶があります)、瑞牆山ぐらいです。それもずいぶん前の話で、このあいだは岐阜の金華山で息を切らしてしまい、さすがに悄然としました。
【Q18】古典部シリーズでは、ミステリによくあるホームズ・ワトソン形式ではなく、多探偵方式(『黒後家蜘蛛の会』や『毒入りチョコレート事件』のような)を取る傾向があるように思うのですが、なにか意図、こだわりのようなものがあるのでしょうか?(ピクリン酸さん)
米澤さん:折木が一人で謎に立ち向かえる名探偵ではないからです。彼の知識や直感には限界があり、解決に至るには誰かの(多くの場合は古典部の他の面々の)助けを必要としますし、なにより彼は職業的な動機で謎を解いているわけではないので、他者との関係性の中で「なぜ自分が解くのか」をその都度見出さなければならないのです。
更新Q13~15
【Q13】出版されるまでに合計どれぐらい読み返すのでしょうか?(リィさん)
米澤さん:今回の『いまさら翼といわれても』でいえば、脱稿時にまず一回、場合によっては加筆修正の上でもう一回、雑誌用のゲラ作業で一、二回、単行本用のゲラ作業で二から四回ぐらいです。
【Q14】人生を変えた本、映画など教えてください!(まっきーさん)
米澤さん:小説はやはり『六の宮の姫君』(北村薫/創元推理文庫)ということになるかと思います。城の石垣の上で、まだすこし冷たい春風に吹かれながら読みました。映画は……なんでしょう。記憶に残るもっとも古い映画は『キングコング2』で、最後がかなしくて泣きじゃくったように思いますが、それに人生を変えられたというと当たらないかなと思います。
【Q15】奉太郎はえるのこと好きですか? 好きですよね?(かーちゃんさん)
米澤さん:さあどうでしょうね……?
更新Q10~12
【Q10】アニメ「氷菓」では高山市でロケハンが行われましたが、先生が小説を執筆する際にも高山市をイメージされていたのでしょうか。その場合、あえて「高山市」とは変えた設定はありますか。(akiraさん)
米澤さん:ある程度は高山市を想定していましたが、最初、土地鑑があってイメージしやすかったからという以上の意味はありませんでした。その後、「遠まわりする雛」や「連峰は晴れているか」など、土着性のある話を書けたのは、知っている場所を舞台にしたからだと思っています。
 高山市を書こうと思ったわけではないので異なる点は多々ありますが、そのどれも、敢えて変えたわけではありません。
【Q11】『犬はどこだ』は何故この様なタイトルになったのですか? どういった意味が込められていますか?(匿名希望)
米澤さん:これは仮題だったと思います。小説を書くとき、ファイル名の整理のために仮の名前を付けるのですが、犬が出てくるのでなんとなくつけました。小説が書き上がったとき改めて題名をつけようとしたのですが、『犬はどこだ』のなにも説明していない感じが割と良い味になっていることに気づいたので、そのままにしました。私は、題名や装幀で小説の内容を説明してしまうことを、あまり好まないのです(装幀は編集者さんの領分ですのであくまで一般論としてということになりますが)。
【Q12】米澤さんはメガネ派ですか? コンタクトレンズ派ですか?(ざるそばさん)
米澤さん:メガネです。仕事が深夜に及ぶことも多いのですが、メガネだと少しはクマをごまかせますしね。
更新Q7~9
【Q7】「正体見たり」に登場した善名姉妹は「汎夢殿」(編集部注:米澤穂信さんのブログ)にて伊原摩耶花の姪と紹介されていますが、摩耶花には兄か姉がいるのですか?(トマーさん)
米澤さん:伊原の兄弟姉妹についてはいまのところ伏せたいと思っていますが、善名姉妹はおそらく「姪」ではなく、年の離れた従姉の子といったところではないかと思います。「いとこ姪」の方がより正しいですが、古典部の面々が正確な血縁関係を気にしなかったため、なんとなく「姪」で片づけられたのでしょう。今回福部里志が「甥」を「いとこ甥」と詳述しているのは、彼ならではのこだわりです。
【Q8】〈古典部〉シリーズだけでなく、〈太刀洗〉シリーズ、『追想五断章』などの他作品にも『深層』という雑誌がたまに登場していますが、どういった意図が込められていますか?(匿名希望)
米澤さん:たぶん とくに いみは ない
【Q9】古典部シリーズは「日常ミステリ」ですね。どう思い付くのですか?(ねじまき鳥さん)
米澤さん:「日常の謎」といいますが、これもミステリの一種です。ミステリへの理解というか、自分の中に蓄積しているミステリの経験が、やはり一番の基本になると思います。フーダニットなのか、ハウダニットなのか、密室ものなのか、暗号ものなのか、倒叙なのか、叙述トリックなのか……。そしてもう一つは、当然のことではありますが、毎日の中でアンテナを高く上げることです。一時間も散歩すれば、実際に小説になるかどうかはさて置き、不思議なことの三つや四つは見つかるものです。
更新Q4〜Q6
【Q4】初めまして。米澤先生の本が1番好きな者です。質問が2つあります。
1.どのような時にネタが思いつくのか
2.どのような環境で執筆しているのか
2についてですが、自室に籠って一睡もせず……という感じで、なるべく詳しく教えていただけると幸いです。(瀬奉さん)
米澤さん:1.仕事部屋でじっと考えた挙げ句にようやく思い浮かぶこともありますし、案を練るため歩いている時に着想することも、いったん小説から離れてぼんやりしているときに思いつくこともあって、いろいろです。 2.仕事部屋で、もっぱら昼間から夜にかけて書くことが多いです。畳に座布団を敷き、肩の凝らない高さのものを探した机にノートパソコンを置いて、主に正座で書いていきます。よく足が痺れてしまって、手洗いに立つにも苦労します。
【Q5】言葉遣いが丁寧な千反田さんですが、家で鉄吾さんや家族のことをどう呼んでいるのでしょうか。 「お父さん」 ? それとも「お父さま」 ?(あまえびさん)
米澤さん:千反田は言葉遣いが丁寧ですが、丁寧すぎる物言いはあまりせず、たとえば基本的に、ふだんから「言う」を「申し上げる」とは言いません。それに照らすと、「お父さん」ぐらいが妥当ではないかと思います。
【Q6】古典部シリーズには古典ミステリにちなんだ副題がつくことが多いですが、『クドリャフカの順番』だけ他と毛色が違うように思えます。あれも、元ネタのミステリ作品などがあるのでしょうか?(じゃむさん)
米澤さん:いいえ、『クドリャフカの順番』に関しては海外ミステリから引いていません。引くならドロシー・セイヤーズの"Gaudy Night"(『学寮祭の夜』)かなと思いましたが、"Gaudy days"ではあまり引用してきたように見えませんし、ここは無理にもじるよりも素直にお祭りの楽しさを表わした方がいいと思ったのです。同一事件を多視点から追う書き方については、恩田陸『ドミノ』や伊坂幸太郎『ラッシュライフ』など日本のものから大きな印象を受けていて、海外古典ミステリの文法を用いている感じがあまりしていなかったことも、強いて翻訳物から引かなかった理由の一つかもしれません。
更新Q1〜Q3
【Q1】短編集『いまさら翼といわれても』では、かなり昔に書かれた短編まで収録されるようですが、それに関してなにか大変だったことなどあったのでしょうか。(小雪さん)
米澤さん:自分でも意外だったのですが、書いた時期が離れているために苦慮したことはありませんでした。短篇集を編むにあたり、季節感の調整を施したぐらいです。
【Q2】古典部シリーズの新作、とても楽しみです!早速ですが質問です。
米澤先生は古典部シリーズで、基本折木目線で物語を書いていますが、『クドリャフカの順番』の時のように、部員4人それぞれの目線で書き分ける際、折木ならスペード、里志はクローバー、千反田はハートで、摩耶花はダイヤ、といったようにマークで分けてらっしゃいますね。これは米澤先生が物語の人物へのイメージで当てはめていると思うのですが、米澤先生はこのトランプの4つのマークにそれぞれどのようなイメージを持っているのでしょうか? 私、気になります!(Wチーズバービーさん)
米澤さん:スペードはまさに切り札です。ふつうは最強のスートですし、スペードのエースだけ特別な図柄で描かれたりもしますね。 クラブは棍棒が元だけに、切れ味はなくとも様々な用途に用いることができる汎用性を感じます。 ハートは聖職者を連想させるスートですから、現実よりも理想を、妥協よりも祈りをイメージします。 ダイヤは世間を思わせます。苦しいこともきたないことも、生のよろこびもその中にある、といった感じです。
【Q3】〈古典部〉シリーズでは料理描写が多く見受けられますが、米澤先生は料理をする際や、食事をする際に「これだけは譲れないこだわり」はありますか? もしあれば教えてください。(煮えるさん)
米澤さん:まわりの迷惑にならなければ、おいしく食べるのが一番だと思います。料理をするときは、きゃべつは三十秒以上炒めないようにしています。
更新
頂いたご質問、米澤先生からの回答は11月28日よりこちらで随時発表予定です!

著者プロフィール

米澤穂信(よねざわほのぶ)

1978年岐阜県生まれ。2001年、第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞を『氷菓』で受賞しデビュー。
11年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。
『満願』および15年発表の『王とサーカス』は3つの主要年間ミステリランキングで1位となり、2年連続の三冠となった。
21年刊行の『黒牢城』で第12回山田風太郎賞並びに第166回直木三十五賞を受賞。
『黒牢城』は4つの主要年間ミステリランキングすべてで1位を獲得し、史上初の四冠を達成した。

シリーズ既刊

シリーズ第1弾『氷菓』

内容紹介
何事にも積極的に関わらないことをモットーとする奉太郎は、高校入学と同時に、姉の命令で古典部に入部させられる。さらに、そこで出会った好奇心少女・えるの一言で、彼女の伯父が関わったという三十三年前の事件の真相を推理することになり——。米澤穂信、清冽なデビュー作!(角川文庫)
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シリーズ第2弾『愚者のエンドロール』

内容紹介
古典部のメンバーが先輩から見せられた自主制作映画は、廃屋の密室で起きたショッキングな殺人シーンで途切れていた。犯人は? その方法は? 結末探しに乗り出したメンバーが辿り着いた、映像に隠された真意とは――。(角川文庫)
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シリーズ第3弾『クドリャフカの順番』

内容紹介
一大イベント、神山高校文化祭! 賑わう校内で奇妙な連続盗難事件が発生する。犯人が盗んだものは碁石、タロットカード、水鉄砲――。事件を解決して古典部の知名度を上げようと盛り上がる仲間たちに後押しされて、奉太郎は謎解きを開始する。(角川文庫)
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シリーズ第4弾『遠まわりする雛』

内容紹介
奉太郎はえるの頼みで、地元の祭事「生き雛まつり」へ参加するが、事前連絡の手違いで、祭りの開催が危ぶまれる事態に。えるの機転で祭事は無事に執り行われたが、その「手違い」が気になるえるは、奉太郎とともに真相を推理する――。(角川文庫)
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シリーズ第5弾『ふたりの距離の概算』

内容紹介
春を迎え、古典部に新入生・大日向友子が仮入部することに。だが彼女は本入部直前、謎の言葉とともに、入部はしないと告げてきた。えるとの会話が原因だということに納得ができない奉太郎は、マラソン大会を走りながら、新入生の心変わりを推理する――!(角川文庫)
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アニメ「氷菓」

スタッフ

  • 原作・構成協力:米澤穂信
  • シリーズ構成:賀東招二
  • キャラクターデザイン:西屋太志
  • 音楽:田中公平 監督:武本康弘
  • 制作:京都アニメーション
  • 製作:神山高校古典部OB会
  • © 米澤穂信・角川書店/神山高校古典部OB会

キャスト

  • 折木奉太郎……中村悠一
  • 千反田える……佐藤聡美
  • 福部里志……阪口大助
  • 伊原摩耶花……茅野愛衣

コミック

「少年エース」(毎月26日発売)にて
コミック版「氷菓」連載中!

  • 原作:米澤穂信
  • 漫画:タスクオーナ
  • キャラクター原案:西屋太志(京都アニメーション)
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