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あらすじ

営繕屋は死者の声を聴き、修繕する。
人々の繋がる想いに涙する魂の物語。



  • 建物で起こる怪異を解くため、営繕屋は死者に思いを巡らせる。

    営繕かるかや怪異譚 その参

    • 著者 小野不由美
    • 発売日 2022年8月26日
    • 定価 1870円(本体1700円 + 税)

    怖ろしくも美しい。哀しくも愛おしい――。これぞ怪談文芸の最高峰!
    建物にまつわる怪現象を解決するため、営繕屋・尾端は死者に想いを巡らせ、家屋に宿る気持ちを鮮やかに掬いあげる。
    恐怖と郷愁を精緻に描いた至極のエンターテインメント。全6編を収録。

    「待ち伏せの岩」
    渓谷で起きた水難事故で若者が亡くなる。彼は事故の直前、崖上に建つ洋館の窓から若い女に手招きされていた。一方、洋館に住む多実は、窓の外に妖しい人影を見る。

    「火焔」
    イビリに耐えて長年介護してきた順子には、死後も姑の罵詈雑言が聞こえる。幻聴だと思っても、姑の携帯番号から着信を受け、誰もいない家の階段で肩をつかまれ……。

    「歪む家」
    温かい家庭を知らない弥生は、幸せな家族を人形で再現しようとする。しかしドールハウスを作り込むうちに些細なきっかけで「歪み」が生じ、やがて異変が起こる。

    「誰が袖」
    典利は戸建てを新築し、第一子の出産を控えた妻と母親が暮らしている。以前に住んでいた屋敷には幽霊がいた。当時を思い返した典利はふと、あることに気付く。

    「骸の浜」
    河口付近の家にひとりで暮らす真琴。荒れ果てた庭の向こうには、低い垣根越しに海が見える。この街の沖で水難に遭った死体は、靄と共にこの庭にやってくるのだ。

    「茨姫」
    死んだ姉を偏愛していた母親が他界し、響子にとって辛い思い出が募る実家が残った。荒れ果てた家を整理するため、ツルバラで覆われた庭の小屋に入ると……。

    怖ろしくも美しい。哀しくも愛おしい――。これぞ怪談文芸の最高峰!
    建物にまつわる怪現象を解決するため、営繕屋・尾端は死者に想いを巡らせ、家屋に宿る気持ちを鮮やかに掬いあげる。
    恐怖と郷愁を精緻に描いた至極のエンターテインメント。全6編を収録。

    「待ち伏せの岩」
    渓谷で起きた水難事故で若者が亡くなる。彼は事故の直前、崖上に建つ洋館の窓から若い女に手招きされていた。一方、洋館に住む多実は、窓の外に妖しい人影を見る。

    「火焔」
    イビリに耐えて長年介護してきた順子には、死後も姑の罵詈雑言が聞こえる。幻聴だと思っても、姑の携帯番号から着信を受け、誰もいない家の階段で肩をつかまれ……。

    「歪む家」
    温かい家庭を知らない弥生は、幸せな家族を人形で再現しようとする。しかしドールハウスを作り込むうちに些細なきっかけで「歪み」が生じ、やがて異変が起こる。

    「誰が袖」
    典利は戸建てを新築し、第一子の出産を控えた妻と母親が暮らしている。以前に住んでいた屋敷には幽霊がいた。当時を思い返した典利はふと、あることに気付く。

    「骸の浜」
    河口付近の家にひとりで暮らす真琴。荒れ果てた庭の向こうには、低い垣根越しに海が見える。この街の沖で水難に遭った死体は、靄と共にこの庭にやってくるのだ。

    「茨姫」
    死んだ姉を偏愛していた母親が他界し、響子にとって辛い思い出が募る実家が残った。荒れ果てた家を整理するため、ツルバラで覆われた庭の小屋に入ると……。



小野不由美からのメッセージ
自分でもときどき、怖い話を書いているのか、懐かしく愛おしいものについて書いているのか、分からなくなります。自分にとっての怪談は、そういうものなのかもしれません。読者の皆さんにも、同じように感じていただけたら幸いです。
小野不由美


著者紹介


小野不由美 (おの・ふゆみ)

12月24日、大分県中津市生まれ。京都大学推理小説研究会に所属し、小説の作法を学ぶ。1988年作家デビュー。「悪霊」シリーズで人気を得る。91年『魔性の子』に続き、92年『月の影 影の海』を発表、「十二国記」シリーズとなる。十二国記と並行して執筆した『東亰異聞』『屍鬼』『黒祠の島』は、それぞれ伝奇、ホラー、ミステリとして高い評価を受けている。「悪霊」シリーズを大幅リライトし「ゴーストハント」として2010年〜11年刊行。12年、二作が相関関係にある『鬼談百景』と『残穢』を刊行し話題に。『残穢』は第26回山本周五郎賞を受賞。2019年秋には「十二国記」シリーズの新刊『白銀の墟 玄の月』全四巻がベストセラーとなった。

お化け好きに贈るエンターテインメント・マガジン「怪と幽」で「営繕かるかや怪異譚」を連載中




マップ・絵解き


「営繕かるかや怪異譚」シリーズ探索のおともに。


私家版・かるやかやマップ

企画・文:朝宮運河 地図制作:REPLAY(リプレイ)




※本企画はフィクションです。実在の地図の地名と小説の舞台の舞台とは関係はございません。


絵解き
絵解き&文=朝宮運河
漆原友紀による「営繕かるかや怪異譚」シリーズ、カバーイラストを絵解きする。
カバーに描かれた、作品に登場するこの世のものではないもの、
怪異の発現するシーンを解説いたします。

『営繕かるかや怪異譚 その参』
この絵には怪しい物語が秘められている…… この絵には怪しい物語が秘められている……
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『営繕かるかや怪異譚 その弐』
この絵には怪しい物語が秘められている…… この絵には怪しい物語が秘められている……
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『営繕かるかや怪異譚』
この絵には怪しい物語が秘められている…… この絵には怪しい物語が秘められている……
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推薦コメント



著名人の方からのコメント

絆を大切にするというのは、実はこういうことなのだ。読後に、目が覚めたような気分でそう思う。 この作者にしかできない希(まれ)な技を目の当たりにした喜びを噛(か)みしめながら。
宮部みゆき(作家)[讀賣新聞 2015年1月4日付け書評より]
作中の雨が文字を濡らし、恐怖が文字を震わせる。
これも一つの怪異かもしれない。
道尾秀介
古い日本家屋、袋小路、水路、河童の手……心ときめくものばかりの物語で、読後すでに絵のイメージは出来上がっていました。
恐ろしいものがそこここに潜んでいる、でも美しさも共存している古い家の奥へ奥へ、おそるおそる(少しワクワク)襖を開けて入ってゆくような。読みながら得たそんな感覚を絵に出来たら、と思いました。
そして、そんな家々の「障り」を、淡々と「繕う」事で治療してゆく尾端さん。素敵です。ただ、外見の描写がほぼ無かったので、描くのにはちょっと悩みました。読み手の方々のイメージの邪魔にならなければ幸いです。
漆原友紀(漫画家・「営繕かるかや怪異譚」シリーズ装画)
「水の声」や「まさくに」の怪異の恐ろしさは、一巻の収録作を上回り、いくら尾端でもどうしようもないのではと不安になるほど。でも、今回も、彼は誠実な仕事で、ちゃんと折り合いをつけてくれます。
読んでいるときはぞっとしてドキドキして、読み終わったときにはほっとする。
こんな怪談が読みたかったし、書きたかった。
時代が変わってもきっと色褪せない、ずっと読み継がれていくであろう名作です。
織守きょうや(小説家)
あり得ないほど怖いのに、確かな救いがある。この本を読了して最初にそう感じました。小野先生らしい、手触りや匂いすら感じられる筆致のホラー描写は、正直なところ泣き喚きたいくらいおそろしいです。それなのに読後感は不思議なほど爽やかで、いずれの結末にもすとんと胸に落ちる説得力がありました。怪異に遭遇した時、自分達とは相容れない存在としてそれを捉え、問題を退魔の力によって解決するというのが怖い話の定石かと思います。しかしこの物語では、怪異をある意味で「尊重」し、共存する道を探していくのです。同じ怪異を取り扱ったとしても、そこに来てくれるのが営繕屋の尾端さんでなかったとしたら全く違う物語になるのだろうなと思った時、『営繕かるかや怪異譚』という物語の特殊性と凄さに気付かされました。ホラーとして一級品でありながら、ホラーという一言では表しきれない、「読んで良かった」と素直に思える、本当にすばらしい物語です。
阿部智里(小説家)
ああ、だから営繕なのだ、と腑に落ちた。
血の連なりの中で生まれ、日々を暮らす。それは、一人一人の営みで家や物や土地に刻まれ、積み重ねられていったものと向き合うことに他ならない。
意識するしないにかかわらず、否応なしに触れ続けているものが、時に「障る」。障れば、どうやっても意識せざるを得なくなっていく。
けれど意識するというのは、単に恐れることだけではないのだ。不安を感じながらも惹かれ、離れなければと思いながらも、目が、耳が、つま先が向いてしまう。
向き合うほどにその輪郭は濃くなり、日々の暮らしに染み上がってくる。だから繕う。木に刻まれた年輪や傷や歪みを読み取るように、積み重ねてこられたものを丁寧に読み取りながら。
読みながら呼び起こされる感情は様々だ。懐かしさ、不安、寂しさ、やり切れなさ、恐怖、焦り、温かさ――そして、それらの感情は、作中で「障り」が解決しようとも、本を閉じようとも、完全に消えることはない。
なぜなら、私たちは、自分もまた連なりの中で生まれ、積み重ねられたものの上で日々を暮らしていることを知っているからだ。
それ・・が意識せずとも、そこに存在し続けていることを。
芦沢央(小説家)


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