ぼぎわんが、来る
澤村伊智(さわむら・いち)
幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。
取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。原因不明の怪我を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。
その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。
一連の怪異は、今は亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか?
愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。
はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか……。
〈出演〉
鈴木光司(すずき・こうじ)
1957年浜松生まれ。慶應義塾大学仏文科卒。
90年、第2回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞となった『楽園』でデビュー。
95年発表の『らせん』で第17回吉川英治文学新人賞を受賞。『リング』『らせん』『ループ』『バースデイ』と続く「リング」シリーズが人気を博し、『リング』はハリウッドでも映画化される。
2013年『エッジ』で、アメリカの文学賞であるシャーリー・ジャクスン賞(2012年度長編小説部門)を受賞。
他著作に、『鋼鉄の叫び』『樹海』、「リング」シリーズの続編となる『エス』『タイド』、長女・美里氏との共著『野人力 オヤジが娘に伝える「生きる原理」』など多数。
山村貞子(やまむら・さだこ)
1991年、鈴木光司氏のホラー小説『リング』で初登場。以降、『らせん』『ループ』『バースデイ』と続く「リング」シリーズはもちろん、
映画、テレビでたびたび、映像化され、ハリウッド映画にも進出。『貞子3D』ではその恐怖のフィールドをさらに広げた、日本が生んだ最恐ホラーヒロインである。