ブックタイトル『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

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『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

- 7 -「............」勾陣は息をつく。見合い話は聞かされるものであって叩きつけられるものではないはずなのだが、成親がそう言うからには叩きつけられたのだろう。つまるところ、正式な結婚の申し込みを完全に無視された上で見合いの話を居丈高にされたのだ、と勾陣は踏んでいる。いたけだか交際を反対されただけでなく面目を丸つぶれにされ、さしもの成親も怒髪衝天した。竹藤家を辞去した足で衝動的に新幹どはつしようてん線に飛び乗ってきたというのだからよほどである。そんな扱いを受けた成親も大層気の毒だが、板挟みになった篤子も実に可哀想な立場だった。勾陣に一矢報いるところまで落ち着きを取り戻した成親は、シャワーを浴びて一晩泥のように眠り、翌朝始発で京都に戻っていった。余談だが、当時もいまも父の経営する弁護士事務所に勤めている成親は、そのとき初めて無断欠勤をし、行方知れずの音信不通状態になったため、両親から特大の雷を落とされた。竹藤の大刀自と成親との熾烈な戦いはそこからはじまったのだが、昌浩にわざわざ細かい事情を聞かせる理由がいまのとしれつころないので、詳しいことは語らなかった神将たちである。