ブックタイトル『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

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『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

- 4 -ごく僅かな者たちだけが呼ぶ名は紅蓮。いまは当主の晴明と、その末の孫である昌浩だけが呼んでいる。わずぐれんせいめい「でもさ、前に成兄が、勾陣にとどめを刺す寸前まで追いつめたことあったじゃない。あれくらい動けるようになりたいんなりにいだよね」「ああ...あのときは、まぁ...」応じる勾陣が意味ありげに目線を泳がせる。思い至ったのか、紅蓮もどこか遠くを見るような顔になった。いた「ああ......あれか」三年前だったか。大学を出て司法試験に受かったばかりの成親が、何やら物騒な顔つきで週の半ばにいきなり帰省してきた。そして、帰っぶつそうてくるなり勾陣と六合にちょっと付き合ってくれと頼んで、翌日の朝から晩まで組手をしつづけた。りくごうかつてないほど鬼気迫る勢いで、これまで放ったことのない殺気も発していた成親は、感情が激しくぶれていて、そこを神将たちに容赦なくつかれこてんぱんにやられた。眺めていた紅蓮が、そこまでやらなくても、とうっかり同情するくらい徹底的にやられた成親だった。が、やられまくったおかげで雑念が取り払われたのか、最後の最後に普段の成親に戻って勾陣に返し技を決め、そのまま