ブックタイトル『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

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概要

『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

- 38 -「ううん、しくじったのは僕だよ。ごめん姉さん」アルメリアは弟の頭を撫で、無事を確かめるように何度も肩や背中をさする。「怪我はない?」けが平静を保とうとしても、出たのは今にも泣き出しそうな弱々しい声だった。ティルザはゆっくりと首を振り、もう一度繰り返した。「大丈夫だよ。何もされてない」前髪を上げて額を見せ、にっこりする。アルメリアが額に口づけると、ティルザも同様に彼女の額に口づけた。そしてようやく腕を離し、大きく息をつくと、アルメリアは警戒を解除した。けいかい両手を上げた状態で立ち上がり、イーディスに問いかける。「で?私に何をさせる気」「まあ、そう慌てるなよ」あわ彼は意味深に笑うと、鍵を取り出してティルザの両手足の縛めを解く。これにはティルザ本人だけでなく、ベオも驚いたかぎいましが、イーディスは「いいんだよ」と言い含めた。「お前も、もう下がっていいぞ」