ブックタイトル『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

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『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

- 36 -イーディスはどこか愉快げに言った。ゆかい床にしたたり落ちた血は、点々と赤い花を咲かせている。彼はしゃがみ込み、アルメリアと目を合わせると、口を開いた。「随分と無茶するねえ。首、血だらけだぞ?」だが、アルメリアの瞳はイーディスを素通りして、弟しか見ていない。すどお「イーディス様。この女、俺が今ここで」「黙ってろ、ベオウルフ」冷徹な表情で言い伏せ、イーディスは少年の方へ向かう。「いやー、麗しき姉弟愛だ。なあ?弟君」「ティルザ!」叫んだアルメリアをよそに、イーディスはティルザの耳元で何事か呟く。すると、ティルザはがっくりと項垂れるようにして頷いた。「ティルザ、ティルザ!!っ放せっ!!」ベオの腕の中でもがくアルメリアに、ティルザは静かに「姉さん」と呼びかけた。