ブックタイトル『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

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概要

『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

- 35 -見えない拘束を引きちぎってでも進もうとするアルメリアに、少年は言った。こうそく「姉さん、落ちついて」少年の後ろでもう一人の従者が剣を構え、喉元に突きつけている。それが目に入ると同時に、イーディスが言った。「それ以上動くと、弟が死ぬことになるぞ」先ほどより短い時間で金縛りが解けると、アルメリアは床に崩れ落ちた。ベオが容赦ない力で右腕をひねり上げてくる。腕がへし折れるかと思うほど壮絶な痛みが襲ったが、アルメリアは眉すらようしやそうぜつ動かさなかった。激しい憎悪のこもった瞳で、低く、ぞうお「放せ」ベオはぞっとした顔で呟いた。「こいつ......痛みを感じないのか」もちろん、そんなはずはない。首や指からは血がどくどくと流れ、腕は死ぬほど痛む。いつ殺されてもおかしくない状況だ。しかし、恐怖や痛みに勝る圧倒的な力が、アルメリアを突き動かしていた。「やれやれ。まるで野生の獣だな」けもの