ブックタイトル『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

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『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

- 29 -「お前、何で生きてんの?」瞳孔が開き、息が詰まって喉がひきつる。どうこう「五年前の事件でアストリッド大臣が死んだとき、館にいた奥方と子どもも一緒に殺されたはず。その後、何者かが証拠隠滅やかたしようこいんめつのため火を放って館は焼失。だが、なぜか焼け跡から子どもの遺体は見つからなかった。骨の一本さえな」体が震え出す。背中に冷たい汗が滲む。アルメリアはごくりと唾を飲んだ。ふるにじつば「さて、これは一体どういうことかな?説明してもらおうじゃねえの」──どうすればいい?力の差は歴然、しかもイーディスの背後には従者がいる。今ここで屋敷の床が崩れでもしない限り、逃げ出すのは困難だ。くずかといって、諦めるわけにはいかない。せめて、せめて『あの子』が無事逃げられるまでは──。あきら何とかして時間を稼ごうと、アルメリアは語り出した。「さすがはイーディス様。その若さで、この国を裏で牛耳るだけはあるわ」ぎゆうじたっぷり皮肉のこもった物言いに、従者の腕がぴくりと動く。イーディスはそれを目で制すと、軽く笑った。「それは買いかぶりってもんだ。俺はただの商人だよ、ちょっと儲けてるだけのな」もう