ブックタイトル『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

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概要

『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

- 25 -プロローグ「お嬢さん」じよう呼びとめられた瞬間、心臓が飛び跳ねた。しゆんかんしんぞうは敢えてすぐには反応せず、ゆっくりと振り向く。重くて幅の広い、中年女性の体は使いにくい。それに、あまり機敏な動あはばきびんきをしても怪しまれるだけだ。あや「いやですよ、ご主人様。あたしゃお嬢さんなんて歳じゃありませんよ」そう答えると、声をかけてきた人物は不敵に笑った。この屋敷の主人、イーディスは美貌の若者だった。闇夜の黒髪、鮮やかな緋色の瞳。上質な服をまとい、耳や首には贅沢やしきびぼうくろかみあざひいろひとみぜいたくに宝石をあしらった装身具が輝いている。その全てが彼の富貴を象徴していた。かがやふうき「そこで何をしている」イーディスの隣にいる従者が口を開いた。片手で抜き身の剣を構え、主人より半歩先にかばうような体勢で立っている。眼光は鋭く、一分の隙もない。するどすき