ブックタイトル『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

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『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

- 22 -小声で話していたがリシュアには筒抜けだ。つつぬなんだか失礼なことを言われた気がするが、むっとするよりもドキドキのほうが勝った。騎士としてカッコいい祖父からまさ剣を教わるのだ。不思議と背筋が伸びるのは、自分にも騎士の血が入っているからかもしれない。の庭に出ると空は晴れわたり、リシュアはその眩しさに目をすがめる。不機嫌さを隠そうとしないジュリアスは屋敷の二階まぶふきげんやしきから様子をうかがっていた。「さあ、リシュア。これを持ちなさい」モーガンから練習用の木剣を受け取ると、リシュアは「こう?」と構えてみる。そして対面には木剣を手にした祖父が立つ。少しだけ、空気が変わった。「リシュア。騎士になるということは、そう簡単ではない。辛くて、悲しい思いをしても、誰かのために剣を振るわなけれつらふばならない。それはわかっているな?」いつもより重々しい言葉に、リシュアは試されていると思った。だから「うん」ではなく「はい」と返事をした。ためモーガンは目を細め、木剣を構える。「よろしい。初めに言っておくが、私の稽古は厳しいぞ?」リシュアは大きく頷く。