ブックタイトル『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

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『少年陰陽師 現代編』 書き下ろしショート・ストーリー/第16回角川ビーンズ小説大賞『剣影に誓う未熟な革命 令嬢だって騎士になりたい!』『ローランシアの秘宝を継ぎし者 往け、世界はこの手の中に』

- 11 -「心なんていらない」彼の呟きに、答えてくれる者はいない。そう思っていたのに。「じゃあ、わたしに心をかして」いつの間にか、隣には突き放したはずの少女がいた。血の?がった兄妹でもなく家族でもない。つい最近、出会ったばかつりの子どもに気を遣われるなんて。最悪だ。つか「君に預けたところで、どうなるっていうの?」しかも誰かに心を預けるというのは、帰りを待ってくれる恋人のために誓う騎士の言葉だ。だれこいびときし「いっぱいあたためて、ぽかぽかになったらかえしてあげる。そしたら、笑ってくれる?」その言葉に、彼はそっと自分の?に触れる。笑い方なんて忘れていた。ほお彼女に言われてようやく気づくなんて。やっぱり最悪だ。誓いの意味すら知らない少女に苛立ちを覚え、ぶっきらぼうに告げる。いらだ「いいよ君にやるよ」本当に──俺の心を、温めることができるのなら。