ブックタイトル『告白予行練習 僕が名前を呼ぶ日』書き下ろしショート・ストーリー/【試し読み】『5分後にキミのひと言ではじまる恋』

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概要

『告白予行練習 僕が名前を呼ぶ日』書き下ろしショート・ストーリー/【試し読み】『5分後にキミのひと言ではじまる恋』

- 27 -「知ってたよ。知ってたから、『みじめだ』とか『バカみたい』とか、つまんない言葉で片づけんじゃねぇよって言ってんだよ!」言葉につまった。航太の言う通り、たしかに私は自分で自分のこれまでの想いを、『無意味なものだった』と思いこんでしまった。大切な思い出も、キラキラした気持ちも......。「片思いがバカみたいだって言うなら、俺だって10年間、ずっとバカのまんまだよ」つぶやいた航太の言葉に、思わず問いかけた。「......え?航太が片思い?誰に?」「だ、誰って、そりゃ......」私の問いに、みるみる航太の顔が紅くなるのがわかる。「私の知ってる子?あれ?でも10年って......、え?」それって、まさか......?「あぁぁっっ、言わねぇからなっ!今日のお前には絶対言わねぇっ!!振られて落ちこんでるお前につけこむみたいな真似、俺は絶対しねぇからな!今の忘れろ!速攻忘れろ!!」