ブックタイトル『告白予行練習 僕が名前を呼ぶ日』書き下ろしショート・ストーリー/【試し読み】『5分後にキミのひと言ではじまる恋』
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『告白予行練習 僕が名前を呼ぶ日』書き下ろしショート・ストーリー/【試し読み】『5分後にキミのひと言ではじまる恋』
- 2 -朝に弱い蒼太が、少しだけ無理をして早い時間の電車に乗るのには、理由があった。そうたあくびをこらえながら席に座っていると、電車が駅に到着する。乗りこんできた生徒のなかに、あかりと彼女の友人である成海聖奈の姿を見つけると、蒼太は緊張して背筋をピンッと伸ばした。なるみせいな彼女を目にしたとたん、まとわりついていた眠気なんてどこかに吹っ飛んでしまい、心臓の音までソワソワしているように聞こえてくる。ドアの近くに立ったあかりは、楽しそうに聖奈と話を弾ませていた。背を向けているから、人の陰になっていた蒼太には気づいていないのだろう。(あかりん!はぁ......いつ見てもかわいすぎ)いっしょにいる聖奈はモデルの仕事をしているだけあって、文句のつけようのない美人だ。けれど、あかりも同じくらいに目を惹く容姿をしている。長い髪はツヤツヤ、パッチリした瞳。彼女のまわりだけ、スポットライトを当てたようにキラキラと輝いているように見える。カバンを抱きしめたまま、蒼太はあかりのことをポーッと見つめていた。それから、ふと隣を見れば、他校の男子生徒が同じようにあかりに視線を注いでいる。