ブックタイトル『告白予行練習 僕が名前を呼ぶ日』書き下ろしショート・ストーリー/【試し読み】『5分後にキミのひと言ではじまる恋』
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『告白予行練習 僕が名前を呼ぶ日』書き下ろしショート・ストーリー/【試し読み】『5分後にキミのひと言ではじまる恋』
- 19 -「航太!」梅雨明け宣言が出た、週明け月曜日の登校時。前を歩く、見慣れた背中を見つけて駆け寄った。「おう」面倒くさそうに振り向いたのは、同じ高校に通う久保原航太。小学校からの幼なじみだ。「見て見て!じゃーん」航太の顔面めがけて、昨日手に入れたばかりのスマホを突き出す。「ついに手に入れたよーん。ス・マ・ホ」「......おう」「反応、うっす。もうちょっとなにかないの?やったな、とか、誕生日おめでとう、とか。あ、私、まだ航太からプレゼントもらってないんだけど」「は?お前だって先月の俺の誕生日、なにもなかったろ」「ちゃんと言ったじゃん。『おめでとう』って」「言葉だけかよ」