ブックタイトル『告白予行練習 僕が名前を呼ぶ日』書き下ろしショート・ストーリー/【試し読み】『5分後にキミのひと言ではじまる恋』
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『告白予行練習 僕が名前を呼ぶ日』書き下ろしショート・ストーリー/【試し読み】『5分後にキミのひと言ではじまる恋』
- 18 -《いつもと違う帰り道》松本エムザ「Sweet16っていうのがあってね」私が小さい頃から、パパは言っていた。それは海の向こう、アメリカでの伝統。16歳の誕生日は「大人の仲間入りをする大切な記念日」とされていて、特に女の子は盛大にお祝いをするんだって。ゴージャスなドレス、部屋中に飾られたバルーン、食べきれないほどに大きくてカラフルなケーキ。写真で見るそれらに、私の心は躍った。早く16歳になりたいって。そして今日、ついに私はスイート・シックスティーンの誕生日を迎えた。クラブを貸し切りにしてにぎやかにパーティー!とはいかなかったけれど、大好きなお寿司とフルーツいっぱいのケーキでお祝いしてくれたパパとママが感激して目を潤ませていたのを見て、幸せをじんわり?みしめることができたとってもイイ一日だった。いよいよ大人の仲間入り、結婚だってできちゃう。なぁんて相手がいないどころか、まだ誰かと付き合ったことさえないけれど。でも、好きな人はいる。ずっと思い続けた大切な人が......。誕生日プレゼントは念願のスマホ。ついに私も、友達からはだいぶ遅れてのスマホデビューだ。自分の部屋でひとり、スマホを握りしめ、意を決して電話番号をタップする。一番初めに、話したかったあの人の番号を。