ブックタイトル『告白予行練習 僕が名前を呼ぶ日』書き下ろしショート・ストーリー/【試し読み】『5分後にキミのひと言ではじまる恋』

ページ
17/32

このページは 『告白予行練習 僕が名前を呼ぶ日』書き下ろしショート・ストーリー/【試し読み】『5分後にキミのひと言ではじまる恋』 の電子ブックに掲載されている17ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

『告白予行練習 僕が名前を呼ぶ日』書き下ろしショート・ストーリー/【試し読み】『5分後にキミのひと言ではじまる恋』

- 17 -そんな私にめったに笑わないキミはまた表情を崩して、転がっていた水色の消しゴムを私の手にしている筆箱に押し込んだ。「明日から隣に座れよ」キミはそう言うと、歩き出そうとした。だから、私は渾身の勇気をふりしぼってキミのリュックを?んだ。「一緒に!一緒に......帰りたい」キミはおかしそうに微笑んで「何ヵ月かかってんだよ」と、言った。それからの私は、キミの隣が定位置になった。好きですと言ったのは、年が明けてから。キミは「今さら」とまた笑って、キスをした。夕焼けがキミを照らす、オレンジ色。