ブックタイトル『告白予行練習 僕が名前を呼ぶ日』書き下ろしショート・ストーリー/【試し読み】『5分後にキミのひと言ではじまる恋』
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『告白予行練習 僕が名前を呼ぶ日』書き下ろしショート・ストーリー/【試し読み】『5分後にキミのひと言ではじまる恋』
- 10 -笑うでもなく、不機嫌なわけでもなく。キミのクラスにいる、私の友人は言う。「遠藤?愛想ないよね。格好いいけど、なに考えてるかわかんないし」「バスケ部が練習してるの見たけど、普通に笑って話してたよ」私が言うと「バスケバカじゃん、遠藤って。部活だと女子マネとも普通に話すみたいよ。付き合ってるって噂。あそこの女子マネ、あの由依だよ?なんなん、あの声、アホっぽいわ」と、辛辣だった。私は心に刺さった言葉に、密かに顔をゆがめた。それを友人は勘違いして「やっぱり、由依キライだよね?媚びすぎじゃね?」なんて言ってくる。私はあわてて「私は由依キライじゃないよ。一年の時、仲良かったし」と否定するけど、友人は「大丈夫、大丈夫。黙っておくから」なんて、勘違いしたまま。「入り口、ふさがないで」教室の入り口で話していた私たちに言ったのは、キミだった。私はうなじが総毛立った気がした。ヒヤッとして、避けながらキミを見ると、キミも私をちらっと見て去っていった。